私は大学での生活を通して、生きていく上で大切なことは「信頼」を積み上げることだと気づかされ、そしてそれが幸せに繋がっていくと信じるようになりました。以来、私の中で”信頼”という言葉はとても大きく大切な存在になったわけですが、社会人になってから、”信用”という言葉をよく聞くようになりました。

 

ここで、ひとつ疑問が浮かんできた。

 

“信用”と”信頼”の違いってなんなのか。

 

「あなたのことを信用しています。」

「あなたのことを信頼しています。」

 

似ているけど、言われた時の感じ方は全然違う。(と私は感じる。)

 

信用という言葉は、秘密を漏らさないとか、自分に得をさせてくれるとか、その人が起こす行動について期待をして言及しているように感じられる。一方で、信頼という言葉は、その人が信じている感覚に共感をしているような印象があって、その人の人間的な魅力について言及しているように感じられる。

 

つまり、信用と信頼が生み出されるメカニズムから考えてみると、信用はその人の行動をもとに生み出されるもので、信頼はその人の感情から生み出されるものなんだろうと思える。

 

例えば分かりやすい例を挙げて、「預けていたお金を無くされてしまった」時のことを考えてみる。

 

①信用をしている人に預けた場合 と、②信頼している人に預けた場合 では、それぞれミスが起こってお金が無くなってしまった時に、感情・行動はどう変化するだろうか。

 

①信用していたのにお金を無くされた。→ もう預けるのはやめよう。

②信頼している人がお金を無くしてしまった。→ きっとなにか理由があるのだろう。

 

きっとこんなふうに考えるのではないだろうか。

 

①は結果に目がいき、②は過程に目がいくようなイメージが自分の中には浮かんできた。

結果ベースの考え方をする①では、きっとその後の関係性は続いていかない。

一方、プロセスベースの考え方をする②では、その後の関係性は変わらず揺らがない。

 

それは、その人の行動に対して魅力を感じているか、その人の感情(人間性)に対して魅力を感じているかの違いによるものだと私は思う。

 

つまり、その人のどこに期待をしているのか。

言い換えるならば、その人の行動に対して見返りを求めているかどうか。

 

そんな違いが「信用」と「信頼」の間にはあるんじゃないかと。

 

絆っていう言葉があるけれど、きっとそれは信頼を積み上げた先に生まれるもので、

困った時に電話して助けを求めるのは、そういう”絆”を持った友人なんじゃないかな。

 

やっぱり私は、「信頼」を大切に生きていきたい。